いくらかかる?ペットの医療費

 

朝起きるたびに、まるで何年も会わなかったかのように尻尾を大きく振り喜びを表し、人のそばで安心しきって眠る犬たち。

キラキラした瞳でボールを追いかけ、散歩の途中で振り返ってこちらの様子を伺う犬。

犬と暮らすと、毎日沢山の癒しや幸せを分けてもらっているな~と実感します。

犬との生活は楽しい一方で、いろいろとお金がかかるのも事実。

皆さんの家庭では、1年間に愛犬の医療費が一体いくらかかっているのか把握していますか?

もともとお金に関して大雑把な我が家。裕福なのではなく、単にいい加減なだけなのですが、犬の医療費だけは、今後の犬貯金の参考にと、レシートが取ってありました。

去年一年間、愛犬の医療費にいくらかかったのかを改めて調べてみるとごらんの通り。

 

●L(当時8歳)●

 

保険対象外

保険対象

合計

5

狂犬病予防接種3,100

フィラリア予防薬1,890(3ヶ月)

内服薬1,260

6,250

6

 

外耳炎注射 1,890

処置料840

内服薬 1,260

3,990

 

8

フィラリア予防薬1,890(3ヶ月)

アレルギー注射1,890

処置料 840

内服薬 1,323

注射 1,995

内服薬 2,121

10,059

9

 

外耳炎注射1,995

処置料420

外用薬1,050

内服薬2,121

5,586

10

ワクチン(8)6,300

 

6,300

年間

13,180

19,005

30,295

 

●M(当時2歳)●

 

保険対象外

保険対象

合計

4

血液検査1,050

避妊手術・入院31,500

抜糸1,050

 

33,600

5

狂犬病予防接種 3,100

フィラリア予防薬 1,890円(3ヶ月)

 

4,990

8

フィラリア予防薬1,890(3ヶ月)

 

1,890

9

ワクチン(5種)4,410

 

4,410

年間

44,890

0

44,890

 

 

 

 

 

 

早目に治療していれば

 

上の子Lについては、去年の5月末からアレルギー症状が出始めたのですが、今までの経験から、時期が来れば自然に良くなるので軽く考えていました。

病院に行って薬をもらうより、薬用シャンプーや、マイクロバブル装置、外用薬で、飼い主が自宅で手入をすればいいかな?と。

シャンプーやシャワー装置などは下の子Mにも使えるので一石二鳥。

ちょうど7月は、様々な行事が重なって忙しく、Lを病院に連れてゆく暇がなかったのも事実。

面倒を見てやれない犬達への償いの気持ちもあって、7月に医療費はかかっていませんが、Lの為の健康関連用品を3~4万円ほど買っています。

しかし、そうこうしているうちに、Lの容態はみるみる悪くなっていきました。

いつも一緒のMが遊びに誘っても面倒くさそうに寝てばかり。毎日シャンプーしているのに、次の日には毛が皮脂でベトベト。夜中、痒くてヒーヒー鳴きながら体を掻き、毛は抜け、体中に血液とリンパ液の固まったものが張り付いていました。

こうなるともう自分には手に負えないので、8月の一番大きな仕事が終ると同時に病院に駆け込んだのですが、体力が落ちているおかげで治療の効果も表れにくく、本当に心配しました。

それでも通院を繰り返すうちに徐々に良くなり、今ではすっかり元気になりましたが今回の事では犬を無駄に苦しめてしまい、本当に後悔しています。

確かに忙しかったのですが、無理してまで病院に行かなかった理由はやっぱり一度行けば、続けて通わなければならずお金がかかる、今まで同様、今回もそのうち治るだろうと思い込んでいたのが大きいと思います。

7月最初の時点では、ここまで悪化するとは思わなかったので仕方なかったのですが3~4万かけて健康用品を買うなら、週に一度必ず病院に通って薬をもらっていた方が犬も人もよっぽど楽だったはずですよね。

もっと早く病院に行けば良かった。

こうして再度ペット保険の加入を考えるようになりました。

ペット保険に入ろう

 

犬は人間と違って自分から保険に入りたいとは言えません。

人間だったら自分は高血圧の家系だから、ガンの家系だから、入院費用の負担が心配・・・など様々な理由で自発的に保険に入る事ができます。

犬も、犬の医療の質はすべて飼い主さん次第。

外に繋がれっぱなしのあの子、最近元気ないな、あれ?ちょっと皮膚の状態がおかしいな。

他人の私がいくらそう思ったところで、飼い主さんが病院に連れて行かない限り、あの子は治療してもらえません。

動物病院に連れて行くと、いくらかかるかわからない。
そう思うと、もう少し様子を見てから・・・となりがちですよね。

我が家のLの場合も、あの時もし保険に入っていたら、ひどくなる前に病院に行っておこう・・・そう思ったかも。

保険について、私は今まで大きな考え違いをしていた気がします。

高い保険金を払って病気にならなかったら、なんとなく損をするような気がしていたのです。
でも保険って、そもそも儲ける為に入るのではないですよね?

人間だって、保険料の元を取ってやろう!と思って保険に入る人はいないと思うのです。

最初は高いかなと思っても、一度支払いを始めてしまえばそれが当たり前になり、毎月の支払いに、いちいち勿体無いと思う人はいないのではないでしょうか?

まして、それで病気になった時、お金の心配をしないで病院にいける、もし病院に行っても経済的損失が最小限で済むと思えば、保険料は安心料として納得できる金額ですよね?

もし、どうしても保険料が負担になるようだったら、負担の軽い保険に替えるという手もあります。

実際、自動車保険だって生命保険だって自分たちは皆そうしているじゃないですか。

ペット保険も今はいろいろな種類があるようだし、よし、一丁入ってみるか。
そうして、上の子9歳にしてようやく保険への加入を決心したのでした。

楽して資料請求!

そんなわけで、ペット保険に加入することは決めたのですが、問題はどの保険に入るかですよね。

そもそも、保険には入るつもりはなかったので、どんなペット保険があるかも良くわかりません。

名前を知っているのは、動物病院にポスターが貼ってあり、以前資料請求した事のある「アニコム」ぐらい。

まずは情報収集です。

ネット上には、沢山のペット保険に関するサイトや保険会社のHPがあり、読んでみるとそれぞれ納得なのですが、今度は情報が多すぎて、どれがいいのかわからなくなってきました。

インターネットは便利ですが、その文章がいつ書かれたのか分からないのが難点。

なんでもペット保険業界は保険業法改正によって平成20年4月に大きく再編されたそうで、それ以前に書かれた物は参考にならないという事もわかって来ました。

これはとにかく資料請求してみないと始まらないと、重い腰を上げて(いや、上がってないけどね)片っ端から資料請求してみることに。

資料請求の方法ですが、保険会社ごとに名前や住所などを入力するのは結構な手間です。

かけずに済む手間は、なるべく掛けたくない私としては、ここでも省力化を図り、一括で資料請求できる所はどこかと探しました。

そして見つけたのが、自動車保険や引越しの一括見積もりで有名な「保険スクエアbang!

ここはペット保険の資料も一括請求できます。

ただ、ここで請求できる資料は、日本アニマル倶楽部、アイペット、ペットメディカルサポート(PS保険)、ペット&ファミリーの5社。

あれれ?唯一知っているアニコムは?

そこで、他にも一括で資料請求できるところを探した所、楽天保険の中にペット保険のページがあるのを発見。なんだ、ここなら一回で全部揃ったのか。

そこから残りのアニコム、アリアンツ、もっとぎゅっとペット保険の資料を請求しました。

楽天でお買い物した事のある人ならログインすれば、住所や名前の入力すら必要ないので、あれれ?もしかしてこっちの方が便利だったかな・・・?

保険会社と少額短期保険会社

 

資料請求から5日ほどで、続々と資料が届き始めました。

資料を見ると、会社名が保険会社と小額短期保険会社に分かれていることに気付きます。

これは、保険業法が改正され、無認可共済だったペット保険会社が2008年4月以降、少額短期保険業者になるか保険会社になるかを選ばなければならなくなったため。

これにより、以下のように分かれました。

<保険会社>アリアンツ火災海上保険(株)、アニコム損害保険(株)

<少額短期保険業者>ペット&ファミリー少額短期保険(株)、日本アニマル倶楽部(株)、(株)アイペットペット、メディカルサポート(株)、もっとぎゅっと少額短期保険(株)、(株)FPC

また、少額短期保険業者とは、一定の事業規模の範囲で、取り扱う保険金額が「少額」、保険期間が「短期」(通常1年、損保分野は2年以内)の保険契約業者をいいます。

小額とは具体的にいくらかというと、

疾病による.死亡・重度障害 300万円以下、
疾病・障害による入院給付金等80万円以下、
傷害による.死亡・重度障害600万円以下、
損害保険1000万円以下と定められています。

これに対し保険会社では、死亡保障何千万円や何億円など、高額の契約ができます。

普通のペットで何千万円という保険が必要な事はないと思いますので、この金額だけを見て保険会社か小額短期保険業者かで保険を選ぶ必要性は感じないですよね。

他の相違点としては、最低資本金が少額短期保険業者では1000万円、保険会社は10億円。免許制度は前者が登録制、後者が免許制など、いろいろ比べてみると、保険会社の方が、会社の規模が大きく、規制が厳しいようです。

小額短期保険業者の経営状態が気になりますが、資料やHPを見ても分からず、倒産の可能性を考えるなら、会社の規模が大きい「保険会社」の方が良いのかもしれません。

ただ、小額短期保険業者が危ないというわけでもないので、会社の規模で保険会社を選ぶ事もないような・・・・

うーん、難しい。

ひとまず、別の角度から保険会社を検討します。

加入条件から絞り込む

 

ではまず、それぞれの保険の加入条件から保険の検討をする事にします。

若いワンコの場合は、どの保険でもほとんど無条件で入れるので、加入条件より、保証の内容を優先した方が良いかもしれません。

うちの犬の場合は9歳という年齢ですので、まず9歳で加入できるかが最重要事項。

したがって、一番はじめに新規加入年齢をチェックします。

「もっとぎゅっと保険」と「PS保険(ペットメディカルサポート)」は新規加入条件が8歳11ヶ月までということですので、この時点で既にアウト。

残りの5つの保険会社でも、ペット&ファミリーが6歳から、アリアンツとPRISM(日本アニマル倶楽部)が9歳から、それぞれ動物病院での健康診断が必要です。

健康診断の料金ですが、指定病院での健康診断ならアリアンツは無料、ペット&ファミリーとPRISMは自費です。

加入診断の為とはいえ、健康診断をタダで受けられるなら、アリアンツも良いかな?

でも我が家の場合、近くに指定病院がありませんでした。

アニコムとアイペットは告知書に自分で記入するだけで加入できる手軽さが魅力です。

また、何歳まで保険を継続できるかも重要なポイント。

一番医療費がかかる頃になって、更新ができずに保険が切れてしまっては元も子もないですからね。

アニコムは20歳11ヶ月まで、PRISM(日本アニマル倶楽部)が15歳、アリアンツは13歳まで、アイペットとペット&ファミリーは終身です。

アリアンツの13歳って短いなあ・・・。

13歳を過ぎたら大きな手術や不必要な治療はしない・・・という考え方もあるけど、最近はペットも長生きで、15歳の犬だって結構いますよね?

だとすると、やっぱり13歳と15歳で保険が切れるアリアンツとPRISM(日本アニマル倶楽部)は却下かな。

よし、だいぶ絞られてきました。

残っているのは、アニコム、アイペット、ペット&ファミリーです。

補償内容から絞り込む

 

加入条件から選んだ結果、アニコム、アイペット、ペット&ファミリーの3社が残ったわけですが、さらに絞り込むため、各社の補償内容を調べてみます。

診療費に対する補償の割合は、アニコムが50%、アイペットとペット&ファミリーは50%か70%のどちらかを選べるようになっています。

もちろん、70%補償の場合はその分保険料が高くなります。

支払い限度額をみてみると、

 

 

通院1日あたり

(年間限度日数)

入院日1日あたり

(年間限度日数)

手術1

(年間限度回数)

アニコム

10,000円(20日)

10,000円(20日)

100,000円(2回)

アイペット(50%プラン)

 

12,000円(22日)

 

12,000円(22日)

 

100,000円(2回)

 

このように、アニコムとアイペットが1日あたりの通院、入院の金額や限度日数、手術の限度回数が決まっているのに対し、ペット&ファミリーは年間50万円まで(50%プランの場合、70%プランでは年間70万円まで)であれば、通院や入院の日数、手術の回数などの制限がなく補償されるようになっています。

3社とも全国すべての動物病院での診療費が、保険の支払い対象になるのですが、保険金の請求手続きが大きく異なります。

アニコム、アイペットは、それぞれの保険に対応する動物病院での支払いの際、窓口で保険証を見せるだけで、その場で診療費が割引になります。

(保険未対応病院の場合は、診療費の全額を一旦払った後、必要な書類を送り、後日保険金が振り込まれるようです。)

これに対し、ペット&ファミリーは病院で治療を受けたら、電話でまず必要書類を取り寄せ、
獣医に診断書を書いてもらわなくてはなりません。

診断書の作成料も保険金の支払い対象ですので、その点は安心なのですが。

また、アニコムとアイペットは同じような補償内容でも提携病院の数が全く違います。

そこで提携病院が少なく、手続き上のメリットが感じられないアイペットは候補からはずす事にしました。

アニコムかペット&ファミリーか?

 

最後に残ったアニコムとペット&ファミリーのうち、1つを選ぶために保険料を比較します。

アニコムの保険料は動物の種類・年齢によって変わります。

特に犬の場合は、犬種ごとにA~E、5クラスの保険料に分類されており、家の犬の場合はDクラスで高い方から2番目だという事が分かりました。

9歳のDクラスの保険料は年間61,440円。月払いで5,630円。

次にペット&ファミリーの保険料を調べてみました。

ペット&ファミリーの保険料は犬の場合、年齢と加入時の体重で決まります。

体重によって小型犬~特大犬の4段階に分かれており、1歳未満の幼犬の場合は犬種表を参考に、1歳時の予測体重で加入タイプを選択します。

家の場合は9歳、犬種の標準より痩せていて6.2キロ、ここでは小型犬に分類され保険料は、50%補償のプラン50の場合、保険料は年間28,080円、月払いで2,580円。70%補償のプラン70の場合でも年間32,940円、月払いで2,990円。

アニコムの保険料と比べると、ペット&ファミリーは半分。
正直こんなに差が出ると思わなかったのでびっくりです。

もう一度、2社を整理すると以下の通り。

 

 

保険会社種類

加入前手続き

保険金

請求手続き

補償内容

保険料

年間

アニコム

保険会社

告知書のみ

簡単

回数・日数制限あり

61,440

ペット&

ファミリー

小額短期保険会社

要健康診断(6歳以上)

面倒

無制限(限度額内)

28,080

 

散々悩んだ結果、我が家は2匹の犬がいて、下の犬も保険に入る事を考えると、アニコムの保険料では払い続けられるかわからない・・・という事で、保険料の安いペット&ファミリーに加入することを決めました。

ペットの年齢や種類、保険に何を求めるかによって保険の選択は大きく変わってきます。

今回ペット保険を勉強してわかったのは、「誰にとっても一番」という保険はないということ。

今回の結果も、あくまで我が家にとってベストな選択という事でしかありません。

最高の犬生の為に

 

家の場合は、前にも書いたように愛犬が9歳という事で、加入できる保険が限られていたため、まず、入れるかどうかで保険を絞り込む必要がありました。

 

これが若いワンコの場合は、また全然違う結果になったと思います。

 

若いうちはどこでも保険料は安いので、補償内容の充実度や補償以外のサービスを重視して保険を選ぶのも良いでしょう。

 

ペット保険は毎年更新、歳が上がるにつれ保険料も上がるので、早く入ったから保険料が安く済むというわけではありません。

 

若くて元気なワンコの場合は、保険に入らないという選択肢ももちろんありだと思います。

 

実際我が家の4歳のワンコは、去年一年間、保険支払い対象になる治療は一度も受けておらず、保険の必要性も全く感じませんでした。

 

ただ、あまり歳をとってしまうと、今度は保険に入れなくなる危険が出てきます。

 

保険会社によっては新規加入年齢を過ぎてしまったり、加入する前に自費で健康診断を受けなければならないなど、手間もかかります。

 

その時の健康診断の結果によっては、補償されない病気が出てくることも考えられますので、どの保険会社でも無条件で入れる6歳までに、今後、保険をどうするか検討した方が良いと思います。

 

可愛いわが子が苦しんでいるのを見て、放っておける飼い主なんていませんよね?

 

この子のためなら何でもする!と思っても、いざ病気になった時、飼い主がしてあげられる事なんてほとんどありません。

 

唯一できる事といえば、早目に病院へ連れて行くことぐらい。

 

儲ける為に保険に入るのではないし、一度入院して手術なんて事になれば、払った保険料の分はすぐに元が取れてしまいます。

 

人と比べてずっと短い犬の一生。

 

だからこそ、亡くなる時に、

 

「ああ、いい犬生だった~!」

 

と思えるように、過ごさせてやりたいと思いませんか?